WWDビューティより~明日への希望をつなげる『プリント写真』

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WWDビューティで現在、掲載中の人気コラム「美容ジャーナリスト12人の連載リレー」。

1月12日号Vol.44では、「明日への希望をつながえる『1枚のプリント写真』」というテーマで私が執筆しましたが、そのコラムに多くの反響を頂きました。WWDビューティ発売後にも「コラムを読みたい」というリクエストをいただいたことから、今回はこちらのブログにて再掲したいと思います。

●明日への希望をつなげる「プリント写真」

デジカメやiphoneで写真を撮る機会が多いいま、たとえ記念日であっても、あえてプリント写真を撮ろうとか、写真館に行きたいと思うことは少ない。しかし、震災後に被災地から流れてきた映像は、1枚のプリント写真が果たす役割を再認識させるものだった。

山積みのがれきから拾い集めた写真に見入る人々。自分たちの家族写真が見つかるたびに「わぁー」とわき上がる歓声。まだ泥がかぶっていたり、一部が破れている写真であっても、その写真一枚一枚に震災前の記憶が留められていて、忘れていたかもしれない思い出との再会を果たしていた。そんな光景だった。

宮城県気仙沼出身の美容ジャーナリスト海野由利子さんも、被災地でプリント写真の大切さを聞いたという。「震災で亡くなった方の仏壇にお参りしたとき、みなさんが手を合わせるのは、その方の写真に向かってなのだそうです。故人を思い、悼むときはやつぱりお顔を見つめながら手を合わせたい。人は自然にそう思うものなのかもしれません」。肌身離さず携帯できることも、プリント写真の長所だ。

「写真データも永遠というけれど、消えてしまう可能性もあるし、電気がなくては見られません。紙の写真の素晴らしさを改めて実感しました」。

そう考える人が増えたのだろうか。昨年、銀座7丁目にオープンしたSHISEIDO THE GINZA内「資生堂フォトスタジオ」では、家族写真を撮影するファミリーが目立ってきている。プロのヘア&メイクによるメイクアップ・メニューも用意されているスタジオでは、家族のいきいきとした表情や空気感を写し出せると、仕上がりへの満足度も高いという。

「お父様の退職祝いにパーラーでの食事と、ご両親とのポートレートをプレゼントされた方がいらしたり、お子様の誕生日記念にと撮影されるご家族も増えています」(資生堂 事業企画部 野田裕子さん)。

また、写真を撮るという言葉に希望を感じる出来事もあった。震災後しばらくして、避難所になっていた福島県いわき市内の中学校宛に支援物資を送り届けてもらえるよう、いくつかの化粧品会社に依頼したことがあった。先方では、それら支援物資のすべてを喜んで受け取ってもらえたが、なかでも印象的だったのが、BBクリーム、口紅、アイブロウと手鏡、化粧ポーチをセットにした“最低限のメイクセット”を手にした方からの声。

「すべてを失いました。でもこのセットがあれば、もう一度、就職活動ができる気がします。面接用の写真を撮りに行こうと思います」というメッセージだった。

もう、あの日に戻ることはできない。でも、家族の瞬間が収められた写真には絆が見える。きれいな自分を写した写真は、前を向きたいという気持ちを支えてくれる。1枚のプリント写真には、そんな明日への希望と、新たな一歩を踏み出すための決意もしっかりと写し出されている。


実際にスタジオで撮影したご家族。こんな幸せな笑顔をプリント写真として残したい


本格的な機材を配備。「資生堂フォトスタジオ」東京都中央区銀座7-8-10
SHISEIDO THE GINZA 2F TEL03-3571-1466 http://stg.shiseido.co.jp/

本文中でコメントを頂戴した
美容ジャーナリスト海野由利子さんの公式ブログ→
http://ameblo.jp/uminoyuriko/

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